ギルの物語|第12話 “久遠の塔”

ササルに着いたギル達は、意識の戻らないキリクとシーラを治療に専念させるため、ササルに駐留していた竜人とマーメイドに依頼し、それぞれの国へ帰すことにした。しかし、魔王ウェルザー討伐への参段は立たなかった。それほどまでに、魔力の差は大きく感じられた。今、魔界門の方向には、巨大な魔力の奔流が渦巻いている。ダークエルフ達を吸収したことを考えると、最初にエルフのポータルを破壊しようとする可能性は高い。エルフ達もそれに立ち向かうだろうが、時間の問題だろう。何か打つ手はあるか?

考えている間にギルは眠りへと落ちていた。連戦の疲れによるものだろう。そして、夢を見たのだった。それは、ずっと見ていた未知の夢。

『久遠の塔……』

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その夢の中で、ギルは塔に居た。その塔には、2人の白竜人の聖女がおり、力を守っていた。そして、夢の中のギルはその力を手にしていた。彼の持つ、魔力を飛躍的に増幅させる力を。

『……行けってことか。乗ってやるよ』

目覚めたギルは体を起こす。夢の中で見た場所は記憶の中にあった。今まで誰にも気づかれなかったのは、光の神殿と同じく、特殊な魔法によって隠されていたのだろう。伝えられる禁忌の場所は、もしかしたら、すべて存在しているのかもしれない。

ギルは魔界門の方を見ながら、久遠の塔へ向かった。半日も掛からないだろう。ギルは急いで向かうと、日が陰る頃に久遠の塔へと到着する。魔力を帯びた古の塔。誰が何のために作ったのか? それは今のギルには知る由もなかった。

久遠の塔の門はギルが手を翳すと待っていたかのように、簡単に開いた。そして、その奥には2人の白竜人の聖女が待っていた。

『あなたは?』

そのうちの一人がギルへと問う。

『俺はギル。力を求めて来た』

『そうですか、私の名前はリュラ、そして、こちらがヴィオラ。代々、この塔に眠る力を守護しているものです。ここに来れたこと、それ自体が、あなたがこの世界を変えるだけの力を持ちうる、選ばれし者という証拠です。もし、あなたが正しい力の使い方が出来ると証明してくれるのならば、力を授けましょう』

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『正しい使い方か』

『そうだ。お前は力をどう使う?』

ヴィオラと呼ばれた女性が、鋭い口調でギルに問いただす。

『魔界門を封じるために』

『それが終われば?』

『正義の味方になれってことか? だが、力は使い方によって破壊にも再生にも繋がる。俺が未来において、破壊者にならない保証はない。そして、それは証明も出来ないだろう』

『その通りです。ゆえに、この力を簡単に授ける訳にはいきません』

『だからな、お前が力を得るならば、私と契約を交わして貰う』

『契約?』

『ああ、力を私の望まぬ方向へと使った場合に死へと至る契約だ』

『その期間は?』

『お前が生きている限り』

『いいだろう』

ギルは即答する。

『この先の人生を、縛られる覚悟はあるということですか』

『どの道、魔王を倒さなくては、未来は無い。何よりも俺は負けっぱなしではいられない性分だからな』

『分かりました。あの魔界門によって、いつしか、私達の星読みでも、未来は霞がかったように見えなくなってしまっています。この世界の未来をあなたに託しましょう。では、塔の頂上へご案内致します』
リュラが魔法陣に光を放つと、ギルは久遠の塔の頂上へと転移していた。その中央には光輝く魔石があった。

『これに触り、そして、ヴィオラと契約を』

『分かった』

ギルが魔石へと触れると、それはより一層光を放ち、魔力がギルへと流れ込んでいく。魔石はだんだんと小さくなっていき、ギルの手の中に収まった。

『では、私と契約をして貰う。お前はその力を間違った方向へと使った場合、死を持って償うと誓えるか?』

『この世界の為に使うと誓おう』

『いいだろう。契約の刻印を心に刻め』

ヴィオラの契約がギルへと刻まれる。それは刻印となって体の一部となっていった。

『それは、超魔法石。これからの道標となってくれるでしょう。空へと翳してみなさい』

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ギルが空へと超魔法石を掲げると、それは光の筋を空へと放つ。

『その光の筋の先には、虹の空島があります。そこには守護者と新しい力があります。あなたが望むのならば、それを自身で得ることもできるでしょう』

『そうか、だが、俺には仲間が居るからな、そいつの力にさせて貰う。1人で持つよりも、その方が効果的だ。ありがとうな、俺は行くよ』

『いえ、あなたに祝福と未来があらんことを』

『ギル、契約を忘れるな』

『ああ、分かっている』

ギルはササルへと帰還する。魔王を倒す為の新たなる力を得て、また、さらなる力を求める為に。


“ギルの物語”第13話へ続く。

ギルの物語

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