ギルの物語|第7話 “再会”

『フレイラが反乱を起こした。革命軍を名乗っているらしいが、目的は我々エルフの聖域の解放と支配だ。穢れしもの達がこの地へと帰ってくるつもりだろう。こちらに向かっているらしいダークエルフの小隊には、私が直々に出るとしよう』

ca689380-4445-450e-9fe8-8d19512bcae2.jpg

エルフが偉そうにしてるのも原因の一つだろうに……しかし、問題はフレイラだ。彼女が反乱を起こしたのには、いくつかの要因が複雑に絡み合っているように思える。

エルフの聖域が不可侵であること、それがダークエルフには決して破れない結界であるということを彼女は十分に承知しているはずだ。その上で革命を本気で行おうとするのであれば、結界を破る方法を見つけた可能性が高い。だが誰がどうやってその方法を見つけられたのかは見当がつかない。やはりダークエルフ以外の何者かが暗躍しているのだろうか。

『ギル。今あなたが考えていることを当てましょうか?』

セシルが言う。

『ダークエルフがポータルを破壊する方法を見つけたかもしれない、でしょう?』

『何か心当たりがあるのか?』

『この世界のどこかにあると言われる7つの禁忌の場所。ギルも名前は知っているはずです』

『ああ、もちろんだ。“魔界門”、“光の神殿”、“月下天台”、“雷の洞窟”、“久遠の塔”、“虹の空島”、“超竜の棲家”。どの場所も強力な守護者によって守られていて、その守護者を倒すことができれば隠された神の力を得られる、だろう?誰もその場所を見つけてすらいない絵空事だと思っていたが……』

『その内2か所が見つかりました。というより、突然現れたに近いかもしれませんが。反乱に踏み切ったダークエルフはその力を利用して、ポータルを破壊するつもりでしょう』

『どういうことだ?そう都合よく見つかるものなのか?』

『ええ。誰かが仕組んだ物語のようですが事実です。光の神殿とそれの先に魔界門らしきものがあるという報告を受けています』

『フィール王には?』

『いいえ。まだ私のところで止めています。もしそれが伝わればフレイラの説得どころでは無くなるでしょう。王には万が一の事を考え、この地を守って欲しいのです』

『そうだな。そこには俺が行く』

『光の神殿の周辺には魔法生物がうろうろしていて容易に近づけないとの報告もあります。気を付けてください』

『注意するよ、ありがとな。セシルはこことティアを守れ。それと伝令を頼まれてくれるか。パールシュタインとキリク、そしてシーラに。光の神殿へ行っていると』

97b0e127-8864-433d-9d5c-2d313a7e4a13.jpg

『分かりました。神殿の場所は……』

あいつらの力が必要になるかもしれない、ギルの直感がそう告げていた。そしてギルは光の神殿へと足を進めた。

その場所はダークエルフの森からそう遠くない所にあった。前もこんなことがあったなとギルは思い出す。あの少女、零夜も夜城と共に突然現れた。もしかしたら禁忌の場所というのはこの地に既にあって、そこには誰にも認識できない魔法がかけられている。つまり認識の問題なのかもしれない。理由は分からないがその魔法が解け場所を認識できるようになった結果、突然現れたという報告になったのだろう。

森へ差し掛かった時、不穏な気配を感じた。

『誰だ?』

ギルは咄嗟に風の刃を飛ばす。その先に居たのは一人の旅人だった。風の刃は旅人の前で消失する。確かに“着弾”しないように調整したが、それよりも早く消滅したように感じた。

『おっと、やめてください。私はただの旅人。いや、旅人に見えて、その実、人呼んで愛の伝道師、カイム』

『聞いちゃいねーけどな』

『そうでしたか?それは残念です』

『何者だ?ただの旅人ではないな』

『いえいえ、ただのしがない旅人ですよ。ところであなた、先を急いでいるご様子ですね。そういえば、先ほどダークエルフの集団に会いましたよ。何やら騒がしい人たちでした』

今はこいつに構っている暇はない……仕方ない、こいつは後回しだ。

『どっちへ行った』

『あちらですよ』

カイムが指を差す方向は光の神殿がある方向と一致していた。ならば、目的は禁忌の力に違いない。

『ああ、ありがとよ。愛の伝道師とやら』

『どういたしまして……ギル』

ギルはカイムと別れると、光の神殿へと急ぐ。手遅れになる前にケリを付けなくてはならない。光の神殿に近づくにつれ、ダークエルフ達のものであろう多くの気配を感じる。魔力を隠さずに接近したため相手にも俺の存在は知られてしまっているだろう。まあ、あえてそうしたのだが。

『そこのお前、止まれ』

3963488e-3910-4928-a62e-1d595a242ef9.jpg

その声には聞き覚えがあった。透き通った声は本人の性格までも映し出しているようだった。屈託の無い、どこか悲しみを帯びた声。

『フレイラ!』

『お前、ギルか?はは、久しいな』

再会を果たした2人だったが、それを喜んでいる時間はなかった。

“ギルの物語”第8話へ続く。

ギルの物語

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー

FoW World - ストーリー